プーチン大統領 アメリカ・ウクライナによる30日間停戦案を事実上拒否

 プーチン・ロシアによるウクライナ侵略。フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、ポーランドのヨーロッパ5か国の国防相は3/12(水)、パリで会合を開き、ウクライナでの恒久的な停戦が実現した後の「安全の保証」として、ヨーロッパ有志国が平和維持部隊を派遣する構想などについて協議しました。会合終了後の共同記者会見で、フランスのルコルニュ国防相は構想について「現段階では15か国程度が関心を持っている」と明らかにしました。関係する国による国防相会合を2週間以内に開く方針も示しました。フランスと並んで構想を主導するイギリスのヒーリー国防相は、「有志連合の構築を加速させる」と述べました。ルコルニュ国防相は「長期的な真の『安全の保証』は、我々がウクライナ軍に与えることのできる能力だ」と述べ、ウクライナへの軍事支援を継続する方針を強調しました。

 ロシアとウクライナの一時停戦案について、プーチン大統領は、西側諸国によるウクライナへの軍事支援の停止などが条件になるとの考えを示しました。アメリカが提案し、ウクライナ側が受け入れる用意を示した30日間停戦案について、プーチン大統領は3/13(木)、「同意する」としながらも次のように強調しました。「停戦は長期的な平和につながり、危機の根本原因を取り除くものでなければならない」 そのうえで、西側諸国による軍事支援の停止や、クルスク州で越境攻撃を行うウクライナ兵の武装解除などが条件になるとの考えを示しました。さらに、条件が守られているかチェックする「停戦監視システム」も必要だとして、早期の停戦には慎重な姿勢を示しています。この発言について、トランプ大統領は「とても前向きのように思える。ロシアも取り引きに応じることを願っている」 ただ、ロシアが一時停戦に応じなければ、「世界にとって非常に残念な瞬間となるだろう」と牽制もしています。一方、ゼレンスキー大統領は、プーチン大統領が「停戦案を拒否する準備をしている」と批判しました。「ロシアは、停戦のアイデアが失敗するか、うまくいかないようできるだけ長引かせるために前提条件をつけている」 さらに、「時間稼ぎをし、非建設的なのはロシアだけだ」として、各国に圧力をかけるよう求めました。

 トランプ大統領は3/13(木)、ウクライナへの侵略を続けるロシアに占領された領土をウクライナが一部放棄する可能性も含め、同国と協議を始めていることを明らかにしました。アメリカは、ウクライナが受け入れた30日間停戦期間中、恒久的な和平実現に向けた最終合意を結ぶことを想定しています。これに関し、トランプ大統領は「ウクライナがどの領土を保持し、失うのかなど、全ての要素についてウクライナ側と議論をしている」と述べました。トランプ大統領は、ザポリージャ州にある原子力発電所をロシア軍が占拠していることを念頭に「誰が原発を保有するのか」と指摘。こうした問題を含め、ウクライナ側と議論しているといいます。ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加盟については「答えは誰もが知っている」と語り、困難との考えを改めて示しました。

 アメリカのキニピアック大が3/13(木)に公表した世論調査結果によると、ロシアによる侵略を受けるウクライナへの支援に関し、アメリカ有権者の62%が「アメリカの国益だ」と答え、「アメリカの国益ではない」の29%を大きく上回りました。トランプ政権によるウクライナへの軍事支援停止には56%が反対し、賛成は39%にとどまりました。2/28(金)にホワイトハウスで行われたアメリカ・ウクライナ首脳会談でのトランプ大統領の対応については、58%が「支持しない」、35%が「支持する」と回答。会談ではトランプ大統領とゼレンスキー大統領がロシアに対する姿勢を巡って口論となり、アメリカメディアによれば、ゼレンスキー大統領が場を追い出される形で決裂しています。

 リトアニアのシャカリエネ国防相は3/13(木)、ロシアと国境を接するポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、フィンランドの5か国が、対人地雷禁止条約(オタワ条約)から脱退することで合意に「近づいている」と明らかにしました。ロシアによる2022年2月のウクライナ侵略開始以降、5か国は自国の安全保障に対する懸念を表明しており、以前にも同条約の支持を再検討するとしていました。 シャカリエネ国防相は、ポーランドのコシニャクカミシュ国防相とのワルシャワでの共同会見で、オタワ条約からの脱退の可能性について記者団から問われると、「われわれはこの解決策に非常に近づいている」との認識を示しました。5か国すべてが「共通の戦略的メッセージ」を送るための共同決定に向け、「非常に集中的な議論」を行っていると補足。

 ロシアメディアによると、同国を訪問したアメリカのウィトコフ中東担当特使が3/14(金)未明、モスクワを出発。ビジネスジェット機で3/13(木)午後に到着し、約13時間滞在。プーチン大統領とのクレムリン(大統領府)での会談は非公開とされました。プーチン大統領は3/13(木)の記者会見で、ウクライナがアメリカとの協議で受け入れた30日間停戦案について、即時受諾に難色を示しました。ウィトコフ特使との間で停戦案を巡り、突っ込んだやりとりがあったかは不明。

▼読みもの

【メディア】
[ ネット ] 2025/03/14 07:25 (生)
 SHOWROOM──NGT48 新沢葵唯
[ テレビ ] 2025/03/12 20:00 (録画・録音)
 BSフジ──プライムニュース
[ テレビ ] 2025/03/14 19:30 (おっかけ)
 BS-TBS──報道1930
[ テレビ ] 2025/03/14 20:00 (おっかけ)
 BSフジ──プライムニュース


▼前週の投稿
▼過去の同日投稿
▼過去の同月日投稿