ゼレンスキー大統領の最側近 武力による国境変更の前例にしてはならない

 プーチン・ロシアによるウクライナ侵略。トランプ大統領は3/19(水)、ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談。トランプ大統領は、3/18(火)に行われたプーチン大統領との電話協議について説明。ゼレンスキー大統領は、同協議でロシア側が合意したエネルギー関連インフラへの攻撃を相互に停止する部分停戦案にウクライナとしても同意すると表明。アメリカのルビオ国務長官とウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は3/19(水)、電話会談を受けて声明を発表。それによると、トランプ大統領とゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍が苦境に陥るロシア・クルスク州の戦況を踏まえ、アメリカ・ウクライナ両国間の情報共有を緊密に行うことで一致しました。プーチン大統領は3/18(火)の電話会談でトランプ大統領に、外国からウクライナへの軍事・情報支援を完全に停止するよう要求していましたが、レビット大統領報道官は3/19(水)の記者会見で「アメリカからの軍事情報の共有は続く」と述べました。また声明によると、ゼレンスキー大統領が地対空誘導弾「パトリオット」をはじめとする防空システムの追加供与を要請したのに対し、トランプ大統領はヨーロッパで供与可能な兵器を検討することを承諾。トランプ大統領は、ウクライナの電力供給や原子力発電所の運営にアメリカが関与する考えを示し、「アメリカがこれらの発電所の所有権を持つことはウクライナのインフラにとり最善の防護となる」と語りました。トランプ大統領はこのほか、ロシアに連れ去られたウクライナ人の子どもの帰還に向け、ロシアとウクライナの双方と問題に取り組むと約束したといいます。トランプ大統領とプーチン大統領は3/18(火)の電話協議で、エネルギーインフラへの攻撃停止を皮切りに、「黒海での停戦」「全面停戦」「恒久平和」を実現するとの構想を協議。アメリカのウィットコフ中東担当特使は3/18(火)、停戦範囲の拡大に向けた実務交渉が3/23(日)にサウジアラビア・ジッダで再開されると述べました。

 ウクライナとロシア両政府は3/19(水)、戦争捕虜を175人ずつ交換。ロシアの医療機関で治療を受けていた22人のウクライナ兵も善意の印として引き渡されました。ゼレンスキー大統領は仲介したアラブ首長国連邦(UAE)に謝意を表明。ウクライナ・チェルニヒウには3/19(水)夕、解放されたウクライナ兵がバスで到着。出迎えた家族や恋人らと抱き合い、帰還を喜び合いました。リビウ州出身のオレクさんは「2年ぶりの祖国だ。生きて帰れるとは思っていなかった」と涙を流しました。

 ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は3/18(火)、ロシアとの戦闘終結後に有志国がウクライナに派遣する平和維持部隊について「15万~20万人が必要になるだろう」と述べました。イギリス・フランスなど6カ国が計3万人の派兵を検討しているとされますが、約1300kmにわたる前線で活動するには十分ではないとの見解を示しました。ポドリャク氏はゼレンスキー大統領の最側近の一人。平和維持部隊は、ロシアの再侵略を防ぐ上で重要な役割を果たすとし、日本にも後方支援や偵察活動への関与を求めました。アメリカが提案した一時停戦を「ウクライナは無条件で受け入れた」と指摘。ロシアが求める西側諸国の軍事支援停止やNATO(北大西洋条約機構)加盟放棄については「主権国家として同盟への加盟や軍備増強の権利がある」として、拒否しました。クリミア半島やドンバス地域などロシアの占領地域の扱いは「停戦後に交渉する」とした上で、「武力による国境変更の前例にしてはならない」として、領土で妥協する考えはないと訴えました。

 ゼレンスキー大統領は3/19(水)、アメリカ製戦闘機「F16」を数機受領したと発表。具体的な数や供与した国については明らかにしていません。ゼレンスキー大統領は「F16が数機、ウクライナに到着した。何機かは公表するつもりはない」と述べました。

 国連人権理事会の国際調査委員会は3/19(水)、ウクライナ侵略を続けるロシアが、ウクライナの民間人を連行し、その所在を隠す強制失踪を組織的に行っているとする報告書を公表。調査委は、一連の行為は「人道に対する罪に相当する」と結論づけています。報告書によると、ロシアはウクライナの制圧地域で、ジャーナリストなどを含む多数の民間人を拘束し、ロシア国内などに連行。多くの人が長期間にわたって行方不明となっており、連行先で拷問や性的暴力などが行われたことを調査で確認したと説明しています。

 ロシア大統領府のペスコフ報道官は3/20(木)、「日曜日(23日)ではないかもしれないが、細かい部分での調整が行われている。来週の早い段階で協議が行われる可能性がある」と述べました。ゼレンスキー大統領は前日の3/19(水)、ウクライナとアメリカの両政府が「数日以内」にサウジアラビアでの会談に向けて準備を進めていると述べました。会談に関して、アメリカの当局者がウクライナおよびロシアの当局者と同日に会うのか、またはロシアとウクライナが直接対話する三者会談の可能性があるのかは不明。

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